サブタイトル
「個別最適な学び」と「協働的な学び」を一体化させた授業づくりを考える
~「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業~
特集内容
Society 5.0時代に生きる子どもたちにとって、情報活用能力などの学習の基盤と
なる資質・能力を身に付けることは極めて重要である。また、「個別最適な学び」と
「協働的な学び」を実現するために、学校教育においてICTは必要不可欠なツールで
ある。
「教育シンポジウム in 静岡2022」では、「主体的・対話的で深い学び」を実現し、
子どもたちの資質・能力を育成するための、「個別最適な学び」と「協働的な学び」
を一体的に充実した授業づくりに向け、具体的にどのような手立てが考えられるのか、
ICTをどのように有効活用すればよいか等について、最新の情報と実践例を交えなが
ら議論がなされた。
目次等
【講演Ⅰ】
「1人1台端末を活用したこれからの学びのカタチ」
三井 一希 山梨大学教育学部附属教育実践総合センター 准教授
(開催時:常葉大学教育学部初等教育課程 講師)
【講演Ⅱ】
「個別最適な学びとは何か」
奈須 正裕 上智大学総合人間科学部教育学科 教授
【パネルディスカッション】
「『個別最適な学び』と『協働的な学び』を一体化させた授業とは」
コーディネーター:丹沢 哲郎 静岡大学未来社会デザイン機構 副機構長・教授
パネラー:奈須 正裕 三井 一希
取材概要等
開 催 日:令和4年2月23日(水)
開催方法:Zoom ウェビナーにて配信
アーカイブ配信期間:令和4年2月28日(月)10:00~3月12日(土)18:00
主 催:公益財団法人 中央教育研究所
共 催:東京教育研究所
後 援:静岡県教育委員会,浜松市教育委員会,
静岡県校長会
内容紹介
(本文より)
これからの予測困難な時代に必要な資質・能力の一つとして、私は、「学び方を
獲得して、場面に応じて最適な学び方を適用できる力」が重要であると考えていま
す。社会の中で自力で学び続けられる方法を、学校教育の中で子どもたちにきちん
と授けることが大事だと思います。予測困難な時代ですから、今後、どんな場面で
どんな方法が有効かは誰にもわかりません。だからこそ、多くの学びを経験させ、
そのよさを実感させておくことが必要です。こういった学び方において、ICTの活用
は前提になってくるでしょう。
(三井)
子どもたちを自立した学習者に育てていく際に、ICTの果たす役割は非常に大きい
と思います。教育を巡る情報技術のありようが劇的に変わり、先生を仲立ちにせず
とも、子ども自身が自分のタイミングと都合で直接情報にアクセスできるようになり
ました。それを前提にした授業づくり、カリキュラムづくりを進めていく必要があり
ます。ICT環境の整備によって、自ら学習を調整しながら学んでいくことができるよ
うな物理的環境が整ったわけですから、後はわれわれがどのように教育状況を整備す
るかだと思います。
(奈須)
今日、お二人の講演を聞いて非常に感動したのは、子どもたちの学びに対する絶対
的な信頼があること、つまり、教師が必ずしもすべて教えなくてよいということを信
じきる態度や構えをもっておられることです。お二人が共通してそのことを主張され
たところが大きなポイントです。すべての子どもは有能な学び手であり、学習環境を
整えれば自律的に学ぶという認識に立つことは、「個別最適な学び」だけではなく、
「協働的な学び」の実現においても必要となる条件だと思います。
(丹沢)
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