サブタイトル
新時代を拓く授業改革
―「見方・考え方」をどう生かすか? ―
特集内容
いよいよ、新学習指導要領の全面実施(小学校:令和2年度、中学校:令和3年度)
を迎えることになる。新たな学びへと進化を目指し、従来の授業をどうつくり変え
ていくか。第23回教育シンポジウム in 東京 2019 総合プログラムは、「新時代を
拓く授業改革 ―『見方・考え方』をどう生かすか?―」をテーマに、新学習指導要
領の考え方を今一度整理するとともに、各教科等の「見方・考え方」に着目して、
2030年を見据えた教育の在り方や、学びの質を高めるための授業改革について考え
る全体会と、「国語」、「算数・数学」、「外国語教育」、「カリキュラム・マネ
ジメント」の四つの分科会で構成した。
文部科学省、研究者、実践者の立場から総括的に議論したプログラムのうち、本
号では、全体会(「基調講演」、「講演」、各分科会からパネラーを迎えた「パネ
ルディスカッション」)の模様をレポートする。
目次等
【基調講演】
「“Competencies and curricula toward 2030”
―2030年を見据えた教育の在り方―」
白井 俊 独立行政法人 大学入試センター 試験・研究統括補佐官(兼)審議役
(開催時:文部科学省初等中等教育局 教育課程課教育課程企画室長)
【講演】
「学びの『質』を高めるために
―主体的・対話的で深い学びを実現する授業改革―」
白水 始 東京大学高大接続研究開発センター 教授
【パネルディスカッション】
「よりよい授業への視点を探る」
パネラー 安達 真理子 立教小学校 教諭
長谷 豊 目黒区立八雲小学校 校長
阿野 幸一 文教大学国際学部国際理解学科 教授
田村 知子 大阪教育大学連合教職大学院 教授
ナビゲーター 谷川 彰英 公益財団法人 中央教育研究所 理事長
取材概要等
開催日:平成31年2月9日(土)
会 場:東京都北区立王子桜中学校・王子小学校
主 催:公益財団法人 中央教育研究所
後 援:東京都教育委員会,茨城県教育委員会,
神奈川県教育委員会,群馬県教育委員会,
埼玉県教育委員会,千葉県教育委員会,
栃木県教育委員会,長野県教育委員会,
新潟県教育委員会,山梨県教育委員会,
東京都北区教育委員会
㈱時事通信社,東京教育研究所,
㈱学習調査エデュフロント
内容紹介
(本文より)
今後は、現在のPISA調査やPIAAC(国際成人力調査)の理論的な根拠である従来
のキー・コンピテンシーに代わり、Education 2030の枠組みがPISA調査やPIAACの
理論的な根拠になっていくということになります。
(中略)
Education 2030の枠組みで中核になる概念と位置付けられているのが、
「Agency」です。Agencyは「代理人」という意味で使われることが多いと思います
が、ここでは、「自ら考え、主体的に行動し、責任をもって社会変革を実現してい
く力」というような意味になります。
(中略)
Agencyに親和的なのが、将来的な目標を見据える力、批判的思考力、現状に疑問
をもつ力というようなものです。
(白井)
資質・能力は、非常に高次な概念ですが、それを授業にどのようにして下ろして
いくかが重要です。(中略)本時で特に育成したい資質・能力は何なのか、それは
子どもの立場から見るとどういう資質・能力だと考えたらよいのか、それらを発揮
している具体的な姿は、というように、どんどん授業に落とし込んでいくことが大
事です。
(中略)
授業デザインの検討の際に、どのような学びが起きればよいかという具体的な姿
を想定することで、授業が終わった後に子どもの学びを見取ることが可能になって
くるでしょう。
(白水)
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