サブタイトル 授業づくりに生かす特別支援教育の視点 ‐みんながわかる授業をめざして- 特集内容 特別支援教育元年から7年がたち、特別支援教育の視点が、障害の有無に関わらず、 誰にもわかりやすい授業づくりに生かされる多くのヒントとなるケースが 多くみられるようになった。 第17回目の開催となる「特別支援教育」シンポジウムでは、主として通常学級に おけるさまざまな学力層や特性に応える「多層指導モデル(MIM)」を通じて、 早期の学力支援の方策と有効性について理論と具体的な実践の両面から紹介された。 また、教員の直面する悩みと現実をふまえ、授業改善の視点から学校力を高める ことの大切さが提言された。本号では、これらの話題をレポートする。 目次等 【行政報告】 「特別支援教育の現状と課題 ~インクルーシブ教育システム構築の実現に向けて~」 丹野 哲也 文部科学省初等中等教育局 特別支援教育課 特別支援教育調査官 【基調講演】 「通常の学級における学び方の異なる子どもへの多層指導モデルMIM(ミム)」 海津 亜希子 独立行政法人 国立特別支援教育総合研究所 教育支援部 主任研究員 【実践報告】 「特別支援教育の視点から学校ぐるみで取り組む学力向上」 三澤 雅子 栃木県総合教育センター研修部 副主幹> 【レクチャー】 「授業改善から学校力の向上へ」 安部 博志 筑波大学附属大塚特別支援学校 主幹教諭 【パネルディスカッション】 「授業づくりに生かす特別支援教育の視点 ~みんながわかる授業をめざして~」 コーディネーター 丹野 哲也 取材対象概要日時:平成26年2月8日(土) 会場:東書ホール 主催:公益財団法人 中央教育研究所 後援:東京都教育委員会,茨城県教育委員会, 神奈川県教育委員会,群馬県教育委員会, 埼玉県教育委員会,千葉県教育委員会, 栃木県教育委員会,長野県教育委員会, 新潟県教育委員会,山梨県教育委員会 ㈱時事通信社 東京教育研究所 ㈱学習調査エデュフロント 内容紹介 (本文より) これからの期待としては、特別支援教育で培われてきた考え方や方法論を、 通常の教育一般の指導にも生かしていくことで、指導の多様化が生まれて いくことが挙げられます。また、アセスメントと指導を連動させることで、 科学的根拠に基づいた、取りこぼしのない指導ができるのではないでしょうか。 そうして授業が工夫されることで、支援の必要な子どもだけでなく、 その周辺の子どもへの効果も安定的、持続的に届けることができるのでは ないかと思います。(海津) 東京教育研究所の「生徒指導」や「教員生活」の悩みに関するアンケートで、 1,000名を超える先生方の回答から、特別支援教育にも関連して、 注目したい結果が出ています。・・・最も多くの先生が回答したのは学習上の 課題で、校種に関わらず60%を超えています。 特別支援教育の課題も高く、特に小学校では41.8%でした。 (略) 学習上の課題の具体的内容をみてみますと、学級内の学力差への対応、 発達障害や低学力に対する指導の手立て、行動面の困難さなど、 特別支援教育の視点が生かされる課題が上位を占めています。 まず、学級内の学力差について、それぞれのお立場からお話し いただきたいと思います。(丹野)