サブタイトル これからの子どもたちに求められる学力 ―学力調査結果に見る授業改善の視点― 特集内容 本年4月に行われた全国学力・学習状況調査は、4年ぶりに悉皆で実施され、 結果が注目されている。なかでもB問題で問われる思考力・判断力・表現力は、 PISA調査に代表される国際調査でも課題が指摘されたところである。一方、 知識基盤社会と言われる21世紀には、知的活動やコミュニケーション・感性・ 情緒的活動の基盤となる「言語力」の育成が、 教科を貫く重要課題の一つ として重要視されている。 第16回教育シンポジウム in 東京は、「これからの子どもたちに求められる 学力」をテーマに、学力調査結果を読み解きながら、具体的な授業改善の視点を 提案するとともに、思考力・判断力・表現力といった力を授業の中でどのよう に育むことができるかを探っていく。 目次等 【講演】 「対話的コミュニケーションによる学びの創造」 佐藤 学 学習院大学 文学部 教授 【レクチャー】 「全国学力調査の結果分析および、その結果を踏まえた授業改善の視点の提案」 「国語」 樺山 敏郎 文部科学省国立教育政策研究所 学力調査官・教育課程調査官 「算数・数学」 清水 宏幸 山梨県教育庁 義務教育課 副主幹・指導主事 【パネルディスカッション】 「これからの子どもたちに求められる学力」 コーディネーター 寺﨑 昌男 公益財団法人中央教育研究所 理事長/ 立教学院本部調査役/東京大学名誉教授 総括「おわりに」 寺﨑 昌男 取材対象概要 日時:平成25年3月3日(日) 会場:文京学院大学女子高等学校 ジャシーホール 主催:公益財団法人 中央教育研究所 後援:神奈川県教育委員会,千葉県教育委員会, 埼玉県教育委員会,茨城県教育委員会, 栃木県教育委員会,群馬県教育委員会, 長野県教育委員会,山梨県教育委員会, 新潟県教育委員会 ㈱時事通信社 東京教育研究所 ㈱学習調査エデュフロント 内容紹介 (本文より) それから特に強調したいのが、学力向上を達成した学校は、まず発展的学力が伸び、 次に基礎学力が向上しており、その逆ではないということです。いわゆるB問題が、 先に伸びるのです。通常はA問題を伸ばしてB問題を伸ばそうと考えますが、 そうすると未来永劫、学力は伸びません。両方を伸ばそうと考えなくては ならないのです。 (佐藤) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 学力向上のためには、教科学力を支える周辺のさまざまな能力や要素をつぶさに見て いかなければいけません。そこで、高い正答率を示す児童生徒像・学校像について、 過去の質問紙調査で明らかになった傾向を挙げてみます。 (中略) 正答率が高い秋田県・福井県は、学力の底上げに成功している県です。 下位の子ども達をどのように引き上げていくか、そのためには学びの質を どう高めていくべきかを、協働的な学習として考えていく必要があります。 秋田県の例を見ると行政や組織、風土等の環境的要因や、教員・児童の性格や 意欲による内面的要因といった複数の原因が伺えます。(樺山) 【訂正】 本文表記の誤りについてお詫びして訂正させていただきます。 (P4.左段 43行目、同右段 22行目、P7.左段 37行目) 誤 「探求」 正 「探究」