サブタイトル 第15回教育シンポジウムin 東京<特別支援教育>レポート 特集内容 発達障害のある子への小・中学校での支援が広がる中、学校を卒業後、社会の中で 自立して生きていくために今、そして将来どんな支援が必要かを考えることは緊喫の 課題である。本シンポジウムでは、特性に配慮した支援を生かす学級経営や国語など の基礎教科の指導について具体的な実践例が報告された。発達障害のある子が生き 生きと授業に参加し、将来社会で生きる力をつけるための支援のヒントを探っていく。 目次等 【行政報告】 「特別支援教育の動向」 石塚 謙二 文部科学省初等中等教育局特別支援教育課 特別支援教育調査官 【講演】 「社会的自立のために幼小中高でやっておくべきこと ~職業的自立を中心に~」 梅永 雄二 宇都宮大学教育学部特別支援教育専攻 教授 【実践発表】 「発達障害の特性に配慮した支援を生かす学級経営」 川上 康則 東京都立港特別支援学校 主任教諭 「特別な教育的ニーズのある子どもに対する国語科の指導~特別支援学級での実践を もとに~」 藤田 直子 茨城県取手市立戸頭西小学校 教諭 【パネルディスカッション】 「発達障害のある子どもが生きる授業を~授業改善の方法を考える~」 コーディネーター 石塚 謙二 取材対象概要 日時:平成24年2月4日(土) 会場:東書ホール 主催:財団法人 中央教育研究所 後援: 東京都教育委員会,神奈川県教育委員会, 千葉県教育委員会,埼玉県教育委員会, 茨城県教育委員会,栃木県教育委員会, 群馬県教育委員会,長野県教育委員会, 山梨県教育委員会,新潟県教育委員会 東京教育研究所 ㈱学習調査エデュフロント 内容紹介 (本文より) 私は成年期の発達障害の方の社会参加を支援していますが、もっと早くから将来を 考えた支援や教育ができていたら、と感じることが常にあります。そこで本日は、 発達障害の方への各発達段階に応じた支援の工夫を「ハードスキル」、「ソフト スキル」、「ライフスキル」という3つのキーワードから考えたいと思います。 (中略) 発達障害の方への対人関係を主とするソーシャルスキル・トレーニング(SST)には 限界があるのではないかと思います。そうなると、むしろ周囲の人にこそSSTが必要 なのではないでしょうか。この考え方は、国連の権利条約の「合理的な配慮」に つながるかもしれません。本人を変えるのではなく、周りが変わっていくことにより、 本人も生きやすく生活しやすくなるのではないかという発想です。 (梅永) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 本日の発表には共通して、発達障害のある子どもが社会に適応して生きていくために、 「わかりやすさの追求」と、「特性を理解して支援のニーズに応じること」の重要性 が指摘されました。また、ユニバーサルデザインという考え方から、特別支援教育と 通常の学級における授業改善の方向は重なるのではないかと感じました。そういう 共通意識を持って、話を進めていきたいと思います。(石塚)