2008年3月 梶田叡一講演記念号Ⅱ
|
サブタイトル
新学習指導要領のゆくえ
特集内容
「生きる力」をはぐくむという現行の学習指導要領の理念を実現するため
に、学習指導要領が改訂される。平成20年2月15日、学習指導要領の改訂案
が公表され、授業時数の30年ぶりの増加、小学校高学年における「外国語活
動の時間」の新設などが話題となり、関心を集めている。
本号では、中央教育審議会答申(平成20年1月17日)や今回の改訂案など
を基に、「教育改革」の動向に詳しい梶田叡一兵庫教育大学学長の談話とと
もに、学習指導要領の改訂の視点と現在の教育課題について考えていく。
目次等
第1部 学習指導要領改訂のポイント
「生きる力」育成の理念を継承
教育課程の改善/教育内容の改善/教育条件の整備
第2部 「生きる力」育成の背景
全国学力調査
PISA2006(OECD国際学力調査)
トピック 教員免許更新制
第3部 インタビュー
「生きる力」を育てるということ
-≪現代っ子≫考と新時代の教師像-
梶田叡一 兵庫教育大学学長 中央教育審議会副会長
取材対象概要
「第7回学力シンポジウムin四国(高松)」ほか
日時:2008年1月14日(月)
会場:香川県民ホール
主催:財団法人 中央教育研究所
後援:香川県教育委員会、高松市教育委員会 他
内容紹介
(本文より)
[確かな学力]については、それまでの詰め込み教育への反省から、知識
・技能に加え、「自ら学び・自ら考える力」の育成が強調された。学習指導
要領は最低基準となり、基礎・基本の定着と個性を生かす教育充実のために
行われた授業時数や授業内容の削減はその趣旨が十分生かされず、ともすれ
ば子どもの自主性を尊重するあまり、教師の指導が躊躇される状況を招いた
のではないかとの指摘もある。
今回の改訂ではそのような課題を踏まえ、「生きる力」の理念を継承し、
さらなる周知・徹底を図る方向だ。授業数増加や教科の学習内容の改善も、
その理念を実現するための具体的な手だてとして、各教科における知識・技
能の活用や課題解決的な探求活動に必要な時間数を確保する目的で行われる。
「『ゆとり』か『詰め込み』か」の二極対立ではなく、バランスの取れた
学習活動を有機的に組み合わせることが、「確かな学力」の育成には必要で
ある。
|
include("floating.php"); ?>