サブタイトル 第3回教育シンポジウムin東京レポート これからの特別支援教育-課題と未来を考える 特集内容 平成17年12月8日、「特別支援教育」に関する制度改革などについて検討を 重ねてきた中教審特別委員会の答申がまとまった。そのまさに2日後、特別支 援教育の実現化を支えてきた第一人者が一堂に会し、これからの特別支援教 育について、課題と未来を熱く語る。 特別支援教育体制推進事業では、校内や地方自治体での体制整備が進めら れているところだが、制度改正も含めた本格的変革が具体的に示されたこと を受け、会場からも大きな関心が寄せられ、熱気ある質疑が交わされた。 本号は特別支援教育特集の第二弾として、第3回教育シンポジウムin東京の 模様をレポートする。 目次等 第1部 理解とシステム構築のために 「特別支援教育の動向 ―基本的な考え方と制度改正」 石塚謙二 文部科学省初等中等教育局特別支援教育課特殊教育調査官 「特別支援教育の展開と今後の課題」 上野一彦 東京学芸大学教授 日本LD学会会長 第2部 効果的な実践のために 「学校・教員支援のための取組 ~研究所における研究・研修を中心に~」 廣瀬由美子 独立行政法人国立特殊教育総合研究所教育支援研究部 小中学校等担当総括主任研究官 「一人一人の子どものための取組 ~学校での具体的な取組を中心に~」 月森久江 東京都杉並区立中瀬中学校教諭・通級指導学級「中瀬学級」担当 文部科学省「小・中学校におけるLD(学習障害),ADHD(注意欠陥 /多動性障害),高機能自閉症の児童生徒への教育支援体制の 整備のためのガイドライン(試案)」策定協力者 第3部 会場からのQ&A 「シンポジウムの終わりに」上野一彦 取材対象概要 日時:平成17年12月10日(土) 会場:文京学院大学女子高等学校・ジャシーホール 主催:財団法人中央教育研究所 後援:東京都教育委員会,茨城県教育委員会,神奈川県教育委員会, 群馬県教育委員会,埼玉県教育委員会,千葉県教育委員会, 栃木県教育委員会,長野県教育委員会,山梨県教育委員会 東京教育研究所/(株)学習調査エデュフロント 内容紹介 (本文より) 小・中学校の制度改革については、先生方の関心も大きいようです。しか し、子どもを良くするための改革が、先生にとってはただ苦しいばかりとい ったことはあり得ないのです。文科省が進めている制度内対応や弾力的運用 はこのような考えに立ったものですから、固定の特殊学級がなくなるという 不安も、十分な議論の中で解消されていくことだと思います。文科省が最近 「弾力化」という言葉を使いますが、これは非常に大事です。制度の中で子 どもを合わせていくような考え方に、私たちはすぐに慣れてしまいますが、 これは危険です。また、お金さえかければ良い教育が出来るというものでも ありません。大切なのは制度やお金ではなく、本当に子どもにとって良い方 法を考え、それぞれに必要なサービスの量や質、地域の実情に合わせて、制 度をうまく運用していくことです。地方分権も進み、益々、地域の創意が試 されるときです。